ひかりは輪郭を透かす  〜九月で


透明な風船に詰めた蒼空が
パンパンと音を立てて弾けて
辺りを染め抜いている土曜の朝に
僕は 広場へと出掛けた

街は 行く人の靴音が疎らに聞こえるだけの無音
ただ 風船の破裂する音だけが
はげしく響くほか

ポプラの脇で
まばゆいばかりの空が 白壁に落ちて映える光に
頬染めて 待っている筈の君は
きっと 瞳とじて きもち 広げて
空気の セロのようなものうい振動のひとすじ

ああ 風が ポプラの葉の反射が
石壁の向こうから 街路に空の欠片を振り撒く
かどを曲がれば

広場の手前で もう
秋のつめたさは きみの 白いうぶ毛のうでに


 
             草原 遙  2004.9.7.