ロマンス 6


追いかけてきたものが 消えてゆくときの
一本道に立っている誰かは
ずっと 眸あげつづけてこれた
しあわせを握りしめて いることに
いまは 気づかない

ぼくの心を せがんでやまなかった君は
いつも ハスキーのターンで眸を煌めかせ
景色も変えてみせたけど
あまりにも笑顔と 涙を涸らし過ぎては
哀しみだけを僕の掌にゆだねた

それは やがて ぼくに
忘れていた自分となってとどき
握っていた手からこぼれていった事を
みつけさせたから

いまはぼくに うたを

笑顔と泣き顔はたちかわる
吹きすさぶ光と影の様に
そうして描かれる景色に立ったとき
君のうえに
きっと 降るような幸せがあるように

いまはぼくに うたを
ずっと 眸あげつづけてこれた
しあわせを握りしめて


ぼくの うたを 君にとどいて



            草原 遙  2004.8