冬の在った


憂鬱を嵌めごろした窓越しに
君の小さな顔がぼんやりみえる
一階のすみの部屋

卓子の上に置いた
冷えきったグラスに言葉を溜めては
枯葉色に沈澱する様を眺め
そうして過ごす午後は
今日も
暮れてゆくすべもない

のぞみは絶えず、
晴れの日の 高く空を渡る風は
君をつつむ雲の影のあり方が
伝えてくれるはず

外では 吹きすさぶ光の泡粒が
ポプラの芽吹きの隙間から甃を叩いて
白くはじけ跳んでいる

君   扉を開け
死んでゆく冬の在り処から



            草原 遙 2004.4.