Film の端片( はし )  ~WHITE WILLOW に 3


ひとびとの落とす呟きが
街から立ちのぼり
雨となって降りそそいで
路地の石畳を光らせる明け方近く
ぼくは 君の髪を撫でる

いつも猫を思わせる
君の身じろぎに
気づけば 腕の暖かさが冷えてゆくように
きっとそ知らぬ振りでそれは
夕べから もう待っていたのだろう

靄のような光が 部屋の中に形と影を描き分けはじめれば
溶け合っていた彩合いも さらけだされてしまうから
いまのこのとき
くるまって眠る
君を起こさぬ様に
抱いていよう

やがて来なければならない
朝のために





              草原 遙