サクラメント ~WHITE WILLOW に 1
冷え冷えした 古い紙の匂い立ち籠める
部屋の角で
庭に降る叢雨を聴く夜明け
文机の上に載せたペンをとれば
つめたい夜気の染み付いたペン先が
薄っすら露をかむって
点け放した電燈に 鈍く金色に光る
斯うして
幾度の同じ気持ちを 通り過ごして来ただろう
移ろい始める季節の
名残の空気を吸い乍ら
取り置かれた紙片の上に
僕の日々はあるばかり
霞を漉かして眺める様に
雨の音
朧ろにたゆたう朝(あした)
春は
ペン先をすり抜ける
草原 遙 2005.3.22.
WHITE WILLOW : スウェーデンのゴシック調プログレッシブ・ロック・バンド