空しかみえない窓


よりどころない不安を
何処に隠そう
洗面台の鏡からのぞく窓外の景色は
屋根に 垂れこめた雲ばかりが映って
街外れの野の辺りでは
風がうずまいている

こうして 土曜日の朝がはじまり
君はきっと階段の窓から 
空を見てばかり 
いるのでしょう

紙飛行機をいくつもいくつも飛ばすような
行きあたりのないことばを
ぼくは繰りつづけるだけのように
君はそんなことに躓かないように
袖をゆらして通り過ぎようとだけ

何処かで沈丁花の咲くような匂いの細道で
眩しいような壊れ方を
想像することもある

振仰げば
春の弦がひとすじ
しるしると 空を渡ってゆくよ
君のところも通るといいのに   



             草原 遙  2004.3.26.